3S=3H、そしてエクゼキューション。
数年前に、日本支社を開設したAKQ。中でも著名なひとり、レイ・イナモト氏の昔のインタビュー記事に、当時の私が、大きく頷いたものがあります。かなり古いですが、それを紹介します。
広告業界のみならず、小売りでも製造でもあらゆる業界で、いうまでもなくITやITに関係する技術や知見、基づく戦略・戦術はもはや必須です。電気・水道・ガス・ITなのです。
当時、彼は、必要な人材をこう言いました。“When you start a company,you need a Hacker,a Hustler,and a Hipster.”〜「会社を始める際、必要なのはハッカー、ハスラー、ヒップスター」。ハッカーはコンピュータのプログラムやデータを破壊する人。ハスラーは賭博師、もしくは実業家。そしてヒップスターはトレンドに敏感な人。そして彼は、こう続けます。“3つのS〜「Story/物語」と「Software/ソフトウェア」、そして「Strategy/ ストラテジー」”がビジネスの土台として必要で、それに答えていくのが、3つのSだと。戦略がつくれる人材、物語がつくれる人材、そしてソフトウェアがつくれる人材が必要だというのです。
昔と変わらないじゃないか、ソニーだって、盛田と井深、Appleだって、ジョブズとウォズニアック…あっ、二人ですね。そうなんです。今までは、どうも二人で良かったのかもしれません(超一流の黎明期には二人三役できていたのかもしれません)。ただ、めまぐるしくトレンドが変わり、テクノロジーの進化や広がりも今まで以上にスピーディです。なのでそれらの行き先の見込み(時に独断も含めて)を立て、そこに到達する物語とソフトウェアをつくり、エクゼキューションを融合させていく必要があるそうです。
エクゼキューションに関しては、同じく古い記事で恐縮ですが、かなり共感するものがありますので、併せてご紹介します。
海外のQ&AサイトQuoraに掲載されていた記事が面白かったので、引用します。
「ビジネスアイディアだけでベンチャーキャピタルからお金を調達する事は出来るのか?」これに対して、ベンチャー・キャピタリストのデービッド・ローズが、起業家のデレク・シヴァーズのブログを引用して答えを書き込んでいました。
■アイディアの価値
どうしようもないアイディア マイナス$1
イマイチなアイディア $1
まずまずなアイディア $5
良いアイディア $10
すごく良いアイディア $15
超いけてるアイディア $20
すなわち、超いけているアイディアでもわずか$20ドルの価値しかないと喝破しています。
■エグゼキューション=アイディアを形にする実行力に対する価値
ゼロエグゼキューション $1
イマイチなエグゼキューション $1,000
まずまずなエグゼキューション $10,000
良いエグゼキューション $100,000
すごく良いエグゼキューション $1,000,000
超いけてるエグゼキューション$10,000,000
ビジネスの価値は、アイディアとエグゼキューションのかけ算で決まる。
超いけてるアイディアでも$20の価値しかないが、
超いけてるアイディアを、すごく良くエグゼキューションした時には、$20×$1M=$20M(16億円)の価値になるとしています。
アイディアは聞きたくない。エグゼキューションされて、初めて興味がわいてくる。さっすが!
結局、実行しないアイディアに価値は無いのですね。
泥臭く、愚直に。徹底的に実行する。それが大事。
よく考えるとこれってベンチャーに限らず、仕事全般に当てはまる法則ですね。
単なるアイディアマンではなく、それを形にすることが重要だということですね。
いや〜耳が痛い。