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揺れるTwitter、その理由はアクティベーション?!

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Twitterの最高執行責任者(COO)Ali Rowghaniが辞任したニュースは、あちこちのサイトで紹介されています。後任を置かず、COOの職務は他の幹部メンバーで対応すると発表しています。

CEOとの確執を報道するメディアもありますが、おおむね、業績(加入者数)が原因という見方ではないでしょうか。同士は、元米Pixarの幹部で、2010年にTwitterに入社し、2012年にCOOに就任。事業開発からメディアにわたる広範なチームを統括し、昨秋以降は製品チームの監督も任され、特にユーザー拡大に注力していたそうですから、このところ、加入者伸び悩みが取りざたされていることへの引責ではないかというものです。とはいえ、2014年第1四半期の月間アクティブユーザー数(MAU)は2億5500万人。伸び率は確かに低迷していますが、前期と比べ5.8%増加しているんですけどねぇ。Twitterの株価はこの辞任を受け、直後に3.5%上昇したという皮肉な効果があったようです。

加入者低迷の原因はさまざまに言われていますが、グロースハックジャパンの記事は、停滞する真の理由をアクティベーションに結びつけて紹介しています。
記事では、まず、Twitterの「「会話をはじめましょう。興味を探求しましょう。そして、見識を広めましょう。」というバリュー・プロポジションとの相違を挙げています。

Twitterの新規登録を完了すると、新規ユーザーは既存ユーザーをフォローするように推奨されるのですが、その瞬間にアクティベーション施策に欠陥が存在することが分かるとしています。まず初めに紹介されるのが、首相官邸、防衛省などのオフィシャルアカウントや天気予報といったライフライン系のアカウントなのはオカシイと指摘します。次にフォローを推奨されるのは、芸能人や文化人など著名人のアカウント。フォロワーの数が多く、交信よりも発信に重き置く著名人のアカウントをフォローするだけでは、Twitterが提案する「会話」が生まれないとしています。

SNSの魅力は人との交わりなのに、Twitterはウォークスルーを通じて自らアンチ・ソーシャルな利用方法をユーザーに強いており、これでは情報を発信するという楽しみが失われ、ユーザーがTwitterから得るメリットは減少していると、これまた手厳しい指摘も。
(実際に、近年ツイッターのユーザーの大半はツイートの閲覧のみに従事し、情報を発信するユーザーはごく一部に限られているというリサーチ結果も出ているようです。)

使い方がまったくわからない新規ユーザーにとっては「コミュニティに属しているという感覚」を感じることが継続利用のモチベーションになり、人との交わりが重要になります。グロースの基本はあくまで継続的な利用であり、そのきっかけを作るアクティベーション施策に今後改善が加えられるか否かが、Twitterの更なる発展を左右するとのことでした。

どれほど巨大になったサービスも、この時代、安穏とはしていられないという象徴的な一件ですね。ただ、成長は絶対にいつか鈍化しますよね。前年対比での指針は確かに大事ではありますが、前年ゼロの時の本年比較の伸び率と、2億を超えたステージでの「率」って、そりゃ、率も小さくなるだろうって気がします。既存ユーザーの満足度とかeコマースをからませたサービスなら購買率とか、成熟して行く中での違う指標や収益性の観点導入も現実的には不可避だろうなと思います。市場経済も同様ですが、シェアの限界、必ずありますから。成長というのを、今後の社会は、投資家は、社員は、どう捉えていくかですよね。

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