知ったかぶりの用語解説【ストリームコンピューティング】
ストリームコンピューティングとはスマートフォンやセンサーなど多種多様なIT機器から収集できるデータをサーバーでリアルタイムに処理する先端技術です。
多くの企業でビッグデータの活用に関心が集まっている中、今までは、大量のデータをいったんコンピュータに保存してから分析するのが主流だったのですが、それでは逐次処理できづらい状態に。そこでストリームコンピューティング。次から次へと流れてくる大量かつ多様なデータを、保存するのではなく、リアルタイムにサーバーで処理する技術。
ストリームコンピューティングによって、1秒間に数万~数百万件のデータを処理できるようになるので、スマートフォンやタブレットに加え、今では自動車、道路、工場などにはセンサーが組み込まれていて、これらのセンサーから送信される、位置情報や移動状況、温度などのデータを逐一収集することで、個人・企業に役立つ様々な即時サービスの実現が可能となる。例えば、浜松町にいるスマートフォン利用者・Aさんに対して、「お薦めのレストラン情報や割引クーポンを送信する」といったきめ細かなサービスを提供可能です。今後さらにIoT時代の拡充を考えると必須とも言える技術。
ストリームコンピューティングが注目されている背景には、安価なサーバーでも、メモリーだけで大量データを超高速処理できるようになったことが挙げられます。容量当たりのメモリー価格はこの10年で30分の1になったそうです。
既に海外では活用事例が増えているそうです。とある大学では、病院の新生児の異変監視システムでストリームコンピューティングを採用し、医療機器からのデータをリアルタイムに監視することで、新生児の体調変化や異変を検知するなどベテランの医師や看護士の仕事を支援。さらにベテランでも気づかない院内でのウイルス感染の兆候を、発症の1日前に検知できるようになったという成果も出ているそうで、これはありがたいですね。
ある映画会社では、テレビなどで流した広告の反応を見るのに適用しました。ツイッターなどSNS上での感想を、書き込んだ人の性別などの情報と一緒にリアルタイムに収集・分析。「ネガティブな反応を示す女性が多いから、広告を女性向きに改善する」といった手を迅速に打つなど、販促業務の強化に成功。企業競争力を高めるためにも多いに価値ある施策といえそうです。