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自在置物 〜 明治の超絶技法。

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NHKの新日曜美術館で紹介されていた「自在置物」。
初めて見ましたが、すんごい技術です。

たとえば以下のサイトで紹介されているものです。
http://otakarajoho.livedoor.biz/archives/33208191.html

作成したのは、甲冑職人達。
江戸末期、すでに甲冑は需要が減少していましたが、時代の大転換期の明治になってから、言うまでもない状態です。さらに明治9年の廃刀令施行に至っては、万事休すだったでしょう。そこで彼らは、研鑽してきた甲冑製作技術を、自在置物に注ぎ込み、活路を見出したそうです。
明治になって、殖産政策の一環として、工芸品等を海外へ売って外貨を稼ぐような活動の一環にも含まれていたそうで、今も海外のアートミュージアムでのコレクションが国内以上ではないかとも。

自在置物は、文字通り、自在に動く置物です。主に動物、生物がモチーフで、海老や蟹等の甲殻類や昆虫、魚、鳥、蛇、そして竜なども、その代表作として今に伝わっています。

その動きがすごい。手足も間接部分で自由にぎくしゃくせず動いていましたし、蛇等は、ほぼミリ単位でくねくね動いています。

置物の中で、番組で紹介されていた蛇の顔が、平成ガメラに何となく似ていました。
(以下の写真は違う機会のものです)
jizai_snake

そう思って改めて作品群をみると、日本人てこういう分野のスキルをDNAレベルで受け継いでいるんだろうなと思います。

フィギアには詳しくないですが、なんとなくディティールまで細かく作り込んだ作品をたまにサイト等で見ます。有名な海洋堂などもそうでしょう。現代に息づくそれらの源流へとさかのぼっていく中に、自在置物も位置づけられている気がします。